イントロ
複合材料業界において世界最大級の展示会『JEC World』が毎年春先にフランスで開催されています。いったいどんな規模・内容の展示会なのでしょうか。
JEC World 概要
JEC Worldは毎年3月や4月にフランス/パリ・ノール見本市会場で開催されています。100ヶ国以上の国々が参加するJEC Worldは、コンポジットの展示会では世界最大規模と言われる国際的なショーです。炭素繊維強化プラスチック(CFRP/CFRTP)をはじめGFRP・AFRPなどの繊維に樹脂をマトリクスとして使用することにより繊維強化プラスチック(複合材料)として様々な分野に活用されている事例が世界中から集結し、目にすることができます。
JEC World 規模
2019年実績
来場者数:約43500人
出展社数:約1300社
展示面積:76,000sqm
JEC World 特徴
当社は、2012年より2019年まで毎年本展示会に出展を続けています。海外の展示会は日本国内の展示会と準備段階から違う点が多くあります。そこで、出展していて当社が感じたJEC Worldの特徴をまとめてみました。
2018年 出展の様子
2019年 出展の様子
1.海外大手企業との直接マッチング
海外大手企業との直接マッチングができる
多くの大手企業の業界関係者が来場します。自社の特徴をPRすることで直接リーチすることが可能です
※当社でも、下記のような展示品を本展示会向けに製作してPRを行い、有名自動車メーカーとの共同研究に繋がった実績があります。
2.最新の情報収集
最新の素材・成形加工技術・設備の情報収集ができる
現在業界では様々な自動化や製品に合わせたプロセス・素材開発が日進月歩で進化しています。自社の事業を俯瞰することができて、トレンドを早くキャッチアップすることができます。
3.複合材料業界のトレンドへの見聞
複合材料業界(特に欧州)のトレンドに対する見聞が広がる
素材としての炭素繊維は日本の繊維メーカーが世界的に大きな市場を有していますが、出口やマーケットについては欧州が業界をリードしている印象を受けます。業界(欧州)のトレンドや素材の使途・プロセスなど知見を広げる貴重な場となっています。
※2013年には、JECをはじめ欧州展示会での調査から中小企業では国内初となる、『HP-RTM』製法を自動化できるシステムを導入しました。
4.日本の業界関係者との接点
日本から来場される業界関係者との接点を持つことができる
JEC Worldではまだまだ日本企業による出展は少ないです。一方で国別の来場者数では日本は9位と多くの複合材関係者がJEC Worldに訪れています。また、来場者は渡仏による経費負担などもあり、経営層や部門長など決裁権を持った方々が多い印象を受けます。そのような方々に、なかなか日本でお会いする場や展示会などの機会は少ないため、JEC Worldにて当社を認知頂く方も多いです。海外展示会で日本人同士日本語の会話ができることは、親近感がわき親しみをもっていただけるようで、帰国後もコミュニケーションを継続して頂ける方が多いです。
5.自社の立ち位置、目指す方向性の模索
自社の立ち位置・これから目指す方向性を模索することができる
業界の世界最大級展示会ということもありますが、Innovation Show Caseなど分野ごとに革新的な製品や技術を見ることができるため、自社を俯瞰することができます。
JEC World 2016 Innovation Award受賞
同展示会にて当社は、2016年にBetter Livingのカテゴリーにおいて、Innovation Awardを受賞しました。2014年より開発を行っていた脊髄損傷者用のCFRP長下肢装具『C-FREX』と車椅子とのコンパーチブルモデルでの受賞です。
サマリー
今回は複合材における世界最大級の展示会『JEC World』についてお話ししました。2012年より出展を続けている当社の私感になりますが、概要や特徴などをご理解いただけたでしょうか。2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ここ数年は出展を自粛してきましたが、2023年より視察を再開し、今後出展の検討を進めます。会場へお越しの際には、ぜひ当社ブースにお立ち寄りください。
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