炭素繊維PAN系とピッチ系の違い CFRP

イントロ

さまざまな場面で炭素繊維や炭素繊維強化プラスチック・CFRP・複合材料などの単語を目にすることが多いと思います。今回は炭素繊維の原料である『PAN系』と『ピッチ系』について解説します。

概要

炭素繊維は大きく分けて、原料の異なる2種類に分類されます。炭素繊維自体、単体では形状が保持できず、比強度の高い糸なので一般的にはエポキシ樹脂などのプラスチックと複合化し炭素繊維強化プラスチック(CFRP)として使用します。

PAN系炭素繊維

アクリロニトリルを原料とし、PAN繊維合成・耐炎化工程・炭素化工程・黒鉛化工程・表面処理工程・サイジング処理工程を経てPAN系炭素繊維は生成されます。軽量+高強度という特徴から主に自動車や航空機などの構造部品に多く使用されています。市場に流通している炭素繊維の大半はPAN系炭素繊維です。

ピッチ系炭素繊維

石炭や石油・コールタールの副生成物(ピッチ)を原料として、高温で炭化させる工程・表面処理工程・サイジング処理によりピッチ系炭素繊維は生成されます。ピッチ系炭素繊維は弾性率が高く、高熱伝導・極低熱膨張・軽量で高剛性という特徴から、主に産業用ロボットアームや人工衛星部材などに使用されています。

サマリー

PAN系・ピッチ系炭素繊維の違いについて解説しました。違いがイメージできたましたか。素材の特徴も異なりますがどちらの炭素繊維も用途や形状などによって製造方法も様々です。

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