炭素繊維とカーボンの違いについて

イントロ

軽量化に貢献する素材として、カーボン・炭素繊維・カーボンファイバー・炭素繊維強化プラスチック・炭素繊維複合材料など多くの用語を聞くことがあると思います。金属に代わる軽くて強い素材という紹介を見ることもあります。いったいどんな素材なのでしょうか。

概要

今回は、それぞれの用語について解説します。

カーボン

カーボンは炭素であり(英:carbon)原子番号6の元素です。元素記号はC、フランス語で「炭素」を意味する「carbone」から由来されています。自然物としては固いダイヤモンドから柔らかいグラファイトまで、幅広い形態や同素体を持つことで知られています。

炭素繊維・カーボンファイバー

炭素繊維(英:carbon fiber)は、アクリル繊維や石油・石炭・コールタールなどの副生成物ピッチを原料に高温で炭化させて作った繊維のことです。アクリル繊維を用いた炭素繊維をPAN系、ピッチを用いた炭素繊維をピッチ系として区分しています。軽くて強い素材として、航空機や自動車・スポーツ用品など幅広い分野で使用されています。

特徴

①比重が鉄の1/4!

②比強度が鉄の10倍!

③比弾性率が鉄の7倍!

炭素繊維は単体では形状を保持できない細い糸です。一般的には樹脂などプラスチックと組み合わせて使用します。

炭素繊維強化プラスチック、炭素繊維複合材料

炭素繊維強化プラスチック(英:Carbon Fiber Reinforced Plastics)は英文表記の頭文字をとって『CFRP』と呼ばれています。その名のとおり、炭素繊維で強化されたプラスチックということです。

これは炭素繊維と、プラスチックを複合させた複合材料の一種です。そのため、『炭素繊維強化プラスチック』と『炭素繊維複合材料』は近い言葉です。使用する繊維が、カーボン繊維であればC、ガラス繊維であればG、アラミド繊維であればAが頭について呼称されます。強化繊維と樹脂(プラスチック)を組み合わせて使用することから、『複合材:Composite』や『複合材料:Composite Material』と呼ばれています。

製造方法

多くの特徴を持った素材『CFRP』ですが、どんな製法で製品が生まれていくのでしょうか。高品質なCFRP製造の代表『オートクレーブ成形法』の一般的なフローを紹介します。

サマリー

似たように使われている用語ですが、それぞれ異なることが理解できたでしょうか。先端素材と言われる素材なので、まだまだ情報も少なく全てを理解することは難しいと思います。CFRPの大きな特徴は、『軽い、強い、錆びない』です。魅惑の素材と感じるCFRPですがメリットの反面、製造の煩雑さやコスト・量産性・リサイクル性などデメリットもあります。デメリットも理解した上で、GFRP・CFRP部品の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

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