複合材料 メリット デメリット

イントロ

軽量化に貢献する素材として、カーボン・炭素繊維・カーボンファイバー・炭素繊維強化プラスチック・炭素繊維複合材料など多くの用語を聞くことが多いと思います。金属に代わる軽くて強い素材という紹介を見ることもあります。いったいどんな素材なのでしょうか。

社内製作 フルカーボン製 NSX

概要

今回は、複合材料の中でも樹脂を繊維で強化させた複合材『FRP』のメリット、デメリットについて解説します。

複合材料(コンポジット)の代名詞『FRP』

複合材料が一番イメージしやすい事例は、鉄筋コンクリートが挙げられます。母材(マトリクス)となるコンクリートを鉄筋で強化した複合材料です。複合材料にすることで、軽量化や高機能化を実現し、幅広い用途で使用されているのがFRP(Fiber Reinforced Plastics)繊維強化プラスチックです。マトリクスとしてプラスチックを用いて軽量化や高い成形性を有し、繊維(一般的にはガラス繊維)によって高強度化・高剛性化を実現させた素材です。FRPの中でも更なる軽量化・高強度・高剛性化を実現させたのが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)です。CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)はその名のとおり、炭素繊維(カーボンファイバー)で強化されたプラスチックの略です。

複合材『FRP』のメリット

FRPの最大のメリットは軽くて強いことです。樹脂成型品と同様で成形の自由度が高く、金属の用に等方性材料ではなく、繊維の方向に強度が依存する異方性材料なので、同じ厚さでも必要な方向に強度を確保でき、強度の不要なエリアは弱くすることもできる設計の自由度が高いことも特徴です。従来のプラスチック製品と比べ、高強度化できることにより肉厚を減らしたり、構成部品が不要になったり、構造を一体化したり、と様々なメリットがあります。特に炭素繊維強化プラスチック『CFRP』は金属と比較しても低比重で高強度、尚且つ錆びないというメリットがあります。

※CFRPの比重は1.5-1.7g/㎤です。

※使用する繊維によって引張強度は3000-7000MPa、引張弾性率は50-900GPaと幅広く、使用する用途に応じて設計の自由度が高いことも大きな特徴です。

※その他、振動減衰性/導電性/疲労特性/X線透過特性などが挙げられます。

 

使用する繊維が、カーボン繊維(炭素繊維)であればC、ガラス繊維であればG、アラミド繊維であればAが頭について呼称されます。強化繊維と樹脂(プラスチック)を組み合わせて使用することから、『複合材:Composite』や『複合材料:Composite Material』と呼ばれています。

複合材『FRP』のデメリット

FRPのデメリットとしては、素材コストや成形加工が難しいこと、異方性を有する素材のため製品ごとに材料設計が必要となること、素材のリサイクルが難しいこと、などがあげられます。素材コスト・・・特に炭素繊維(カーボンファイバー)は素材自体が比較的高い素材ですが、異方性を有する素材なので材料の歩留まりが悪いこともコストに影響します。製造プロセスが煩雑なこともあり、開発は進んでいますが、まだまだ多くのプロセスを人の手を介してモノづくりが行われています。そのため、量産性に対する課題も多く、航空機や高級車など限定的な採用にとどまっているのが現状です。

製造方法

多くの特徴を持った素材『CFRP』ですが、どんな製法で、どんな製品が生まれていくのでしょうか。高品質なCFRP製造の代表『オートクレーブ成形法』の一般的なフローを紹介します。

サマリー

複合材『FRP』のメリット、デメリットについて解説しました。先端素材と言われる素材なので、まだまだ情報も少なく全てを理解することは難しいと思います。大まかなCFRPの特徴は、『軽い、強い、錆びない』です。魅惑の素材と感じるCFRPですがメリットの反面、製造の煩雑さやコスト・量産性・リサイクル性などのデメリットもあります。デメリットも理解した上で、GFRP・CFRP部品の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

関連するお役立ちコンテンツ

ご興味のあるテーマをクリックすると関連コンテンツをご覧いただけます。

UCHIDAについて - 創業55年

当社では、FRP・GFRP・CFRPを用いたCFRP成形加工メーカーとして多くの技術ノウハウを活用し、設計・解析から製造、二次加工・アッセンブリ、塗装、品質保証、試験までワンストップに対応しています。

UCHIDAの設備

UCHIDAではお客様の高度な課題にも対応できるように最先端の設備を導入しております。

動画で見るUCHIDA

下記動画にて製造工程を細かく紹介しております。是非ご参照ください。

お問い合わせはこちら