カーボン オートクレーブ温度

イントロ

今回は、FRP(英:Fiber Reinforced Plastics)繊維強化複合材の中でも、軽くて強い素材の代名詞『CFRP』について解説します。

概要

今回は、高品質CFRP(ドライカーボン)には欠かせない、オートクレーブ装置の成形温度について掘り下げていきます。

オートクレーブ成形法

オートクレーブ成形法の一般的なフローをご紹介します。

CFRPの成形温度

CFRPをはじめとする複合材は樹脂(プラスチック)を母材としているため、成形温度を決めるのは樹脂特性に依存します。熱硬化性CFRP(CFRTS)では、エポキシ樹脂を用いることが多く、成形温度は120℃~180℃辺りです。それ以外には、ビニールエステル・ビスマレイミド・シアネート・ポリイミド樹脂など、樹脂の硬化反応温度によって200℃~400℃程度の温度で焼き固めます。熱可塑性CFRP(CFRTP)では、エンジニアリングプラスチックからスーパーエンプラと呼ばれるPEI,PEKK,PEEKなどの素材を溶かすために400℃程度までのスペックが必要です。

成形は温度と圧力の制御

オートクレーブ成形では、高品質で安定した製品が作れる特徴の一つに、成形圧力があります。管内に圧縮空気を用いて加圧するため、材料に対して圧力が均等にかかります。圧力により製品内のボイド(気泡)の発生を抑えることができます。成形圧力は、一般的に0.3MPa~1.5MPa(製品によっては2.0MPa)程度で制御します。樹脂の特性や、製品の構造、型材の種類などによって成形温度(昇温速度)や保持時間・加圧タイミング・昇圧/加圧保持時間・冷却時間などをプログラミングし自動で運転します。オートクレーブのスペックは400℃で2.0MPaまで対応できれば、プラスチック母材のCFRPは成形可能!オートクレーブなど高品質なCFRPを成形できる設備によって生み出された製品を『ドライカーボン』と呼ぶこともあります。

サマリー

カーボン(CFRP)をはじめ、複合材料を高品質で成形するオートクレーブ成形について解説しました。先端素材と言われる素材なので、まだまだ情報も少なく全てを理解することは難しいと思います。まずは、オートクレーブ成形や材料保管、裁断、クリーンルーム、検査装置・マシニングセンタなど周辺設備や環境が整ってないと高品質なCFRP製品をワンストップで作ることはできない、ということをご理解いただけたでしょうか。

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