イントロ
最近メディア等で、炭素繊維強化プラスチック『CFRP』という言葉を聞く機会が増えています。金属に代わる軽くて強い素材という紹介を見ることもあります。いったいどんな素材なのでしょうか。
概要
繊維強化プラスチック(FRP)は繊維を強化材として使用したプラスチックです。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)はその名のとおり、カーボン繊維で強化されたプラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)の略で、CFRPはFRPの一種です。使用する繊維がカーボンであればC、ガラス繊維であればG、アラミド繊維であればAが頭について呼称されます。強化繊維と樹脂(プラスチック)を組み合わせて使用することから、『複合材:Composite』や『複合材料:Composite Material』と呼ばれています。
今回は、成形方法の一種である『PCM製法』について解説します。
PCM製法とは?
PCMはPrepreg Compression molding の略で、プリプレグと呼ばれる炭素繊維にあらかじめ樹脂が含侵されたシート材を、設備を用いて賦形し金型内にセットしプレス機による圧力と金型を加温することによって加圧・加熱して成形する方法です。
プリプレグを用いた成形方法は、高精度で高品質なCFRP製品を実現できるオートクレーブ成形法が主流でしたが、一般的にオートクレーブ成形法では成形時間が4-6時間必要で、量産性やコストが大きな課題でした。PCM製法では、プリプレグにマトリクスとして使用する樹脂(主に熱硬化性樹脂)に速硬化型樹脂を採用し、プレス機を用いて高い生産性を実現することができます。
PCM製法の特徴
- 成形サイクルが短い(5min程度)
- オートクレーブ製法と同等の高い機械特性を有する製品が実現可能
- 試作はオートクレーブ製法で検証を行い、生産時にPCM製法への移行が可能
- プレス機による成形のため、SMC材などを組み合わせて成形することも可能
- カーボン特有の外観を維持しつつハイサイクル生産ができる
- 賦形プロセス(プリフォーム)では、従来は作業者が手積み積層を行っていたため、装置化(自動化)によりばらつきを抑えた安定生産が可能
プリプレグを用いた高品質なCFRP製法の代名詞『オートクレーブ成形法』
製造方法
多くの特徴がある素材『CFRP』ですが、製品形状や製造ロッド・構造などによってさまざまな成形方法が存在します。当社では、幅広い成形方法で試作開発からワンストップに対応が可能です。
サマリー
今回はCFRPの中でも、『PCM製法』について解説してきました。先端素材と言われる素材なので、まだまだ情報も少なく全てを理解することは難しいと思います。大まかなFRPの特徴は、『軽い、強い、錆びない』です。魅惑の素材と感じるCFRPですが、対象製品の形状や要求事項・生産量などによって適した素材や製法・製造プロセスが異なります。設計段階で最適なプロセスをイメージすることは、専門メーカーでないと現実的ではありません。
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当社では、FRP・GFRP・CFRPを用いたCFRP成形加工メーカーとして多くの技術ノウハウを活用し、設計・解析から製造、二次加工・アッセンブリ、塗装、品質保証、試験までワンストップに対応しています。
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DMG森精機 - VS1000/40/2050
X軸:2,050mm(ストローク) / Y軸:1,000mm / Z軸:600mm / テーブル作業面:2,250×1,000mm
芦田製作所 - AUTO CLAVE 2号機
サイズ:Ø1,150×1,000mm / 使用温度:常温〜400℃ / 設計圧力:2.0Mpa(最高使用圧力) / 真空方式:バック吸引方式 / 真空口数:5個
芦田製作所 - AUTO CLAVE 3号機
サイズ:Ø3,000×6,000mm / 使用温度:常温〜200℃ / 分布精度:±2.5℃以内 / 昇温速度:4.0℃/分(空炉) / 冷却速度:4.0℃/分(空炉) / 設計圧力:0.99Mpa(最高使用圧力) / 常用圧力:0.7Mpa以内(メーカーから指定がなければ0.3Mpa位) / 圧力精度:±0.02Mpa(0〜0.99Mpa/cm²の圧力設定に対して) / 昇圧精度:0〜0.03Mpa/min / 圧力源:圧縮空気(常用時) / 真空方式:バック吸引方式 / 真空口数:10個
オーブン
サイズ:W1,000×H1,000×D1,000mm / 温度範囲:環境温度+20〜300℃ / 昇温能力:環境温度(20〜40℃)〜300℃まで/45分以内 / 真空方式:バック吸引方式 / 真空口数:10個
オーブン
サイズ:W7,000×H3,000×D2,000mm / 温度範囲:環境温度+20〜300℃(MAX) / 昇温能力:環境温度(20〜40℃)〜300℃まで/60分以内 / 真空方式:バック吸引方式 / 真空口数:10個
NEO
X軸:4,000mm(ストローク) / Y軸:2,000mm / Z軸:1,200mm / C軸:0度〜±270度 / B軸:0度〜±110度 / テーブル作業面:4,000×2,000mm
【開発】
3Dプリンター | Markforged
塗装ブース
各種塗装・クリア仕上げ等は、専用の塗装ブースで行っています。
接着・仕上げ・コーティングルーム
型や成形物の表面処理・トリミング・穴明け・接着等の仕上げ工程は専用ブースで行っています。
東芝 - マトリックスアイEX (超音波探傷器)
Matrix-Arrey:32
AMETEK CREAFORM MetraSCAN750 Elite(3Dスキャン)
オーブン
サイズ:W450×H450×D450mm / 温度範囲:環境温度+50〜650℃ / 昇温能力:環境温度+50〜650℃/120分以内
カッティングプロッター
テーブル作業面:W1,500×L3,500mm
Krauss Maffei - エポキシ樹脂注入機
Resin 60ℓ / Hardener 25ℓ
Krauss Maffei - 630t プレス機
W1,200×L1,500×H1,700mm / Power Unit:Vacuum valve×2 / Air valve×5 / Hydraulic valve×5
DMG森精機 - NV5000B/40
X軸:1,020mm(ストローク) / Y軸:510mm / Z軸:510mm / テーブル作業面:1,320×600mm
大型クリーンルーム
JIS B 9920 清浄度クラスの上限濃度(個/立方メートル) / クラス5:100,000m³ / 室容量:256m²(16,000×16,000mm) 760m²(16,000×16,000×3,000mm) / 室内温湿度条件:温度 23℃±3℃ 湿度 65%以下 / 外気条件:夏期 温度35℃ 湿度 70%以下 / 冬期 温度-5℃ 湿度 40%以下
CAD / CAM
CATIA V5:2台 / THINK DESIGN:1台 / MASTER CAM:4台 / その他 3D/CAD:3台 / その他 2D/CAD:5台
下記動画にて製造工程を細かく紹介しております。是非ご参照ください。